Chapter 3 - 空からの贈りもの -

ー 空からの贈りもの ー


103号室はまるで開放的で、

入り口を大きく開けたまま

僕を迎えてくれた。

明かりが漏れている。


声をかけても返事がないので、

僕は中に入ってみることにした。

しっとりとした古い家の匂いがして、

自分の靴の踵(かかと)が床を踏みしめる音がする。


こわばんは。


入り口を進むと

奥のサロン中央に巨大な古い

木のテーブルがあるのが見えた。

その上には植物模様を施した錫(すず)の入れ物が品良く置かれ、

中に黒砂糖のかたまりのような

ものがいくつも入れられている。

僕はあの手紙の香りがカカオだということに、その時初めて気付いた。


部屋の左側を見ると、壁には趣のある木製のキャビネットが一面に置かれ、

それは奥行きの少ない不思議な作りで、

はめ込まれたガラス扉の中には大小さまざまな金の装飾品が

所狭しと飾られていた。


サロンの奥にはもう一つ小さな部屋があって、何かの作業をするための机と、

その上にはは鋸(のこぎり)や鑢(やすり)、沢山の小さな突起物が置かれ、

そこはモノづくりをするための場所であることが見て分かった。


不意に窓を叩く音がして、

慌ててサロンへ戻ると

庭からガラス越しに1人の女が

こちらに向かって手を振るのが見えた。


少しびっくりして外へ出ると、

女はくったくのない感じで

僕に空を見るよう促す。


戸惑いながら目線を上に向けると、

空をひっかいたような流れ星が

いくつか細く光って消えた。


流星群。


そういえば、今日はそんな日だと

誰かが言っていたのを思い出した。


そして程なく、 

それはにわかに始まった。


澄んだ空気に鈍く光る月明かりの中、

ゆっくりと降りてくる無数の光の矢。

そして音を立てて森の木の枝を突き抜けながら、次々と地面に落ち始めた。


女は喜んだ様子で

そばに置かれた金属の皿を当然のように

僕に渡すと、

次々と降り注ぐ落下物を拾い始めた。

よく見ると

辺りには金属製の平皿や

ソースパンが置かれ、

その現象が起きるのをずっと待ち構えていたようだった。

女は落ちてきたものをいくつかすばやく皿に拾い集めると

そのひとつを僕に見せて言った。


これは色艶がよくて、

まるで溶けたバターのよう。

こっちのはしずくの形をしていてなかなかいい感じでしょう?


それは小指の先ほどの大きさで、

色や形の違う見たことのない石のかけらが

皿の中でかすかな月明かりに反射し

濡れたように光っていた。


地面に落ちたらいずれ消えてしまう!


僕は急かされるまま、空の落とした光る石たちを拾いはじめた。

赤い石、青い石、褐色の石…


石の落下はだんだんと静まって止まり、

流星がまたたくと

ひと呼吸おいてはまたはじまる。

降りそそぐ無数の石は、

光の雨となって空中で瞬いては消え、消えてはまた現れながら

鏡の破片を散りばめたようにメゾンのテラスを埋め尽くしていった。


赤い石、青い石、黄色の石…

止めどなく降り続く石の雨。


やがて僕らは屋上までそれを辿っていった。


屋根の上では、

古い銀皿のような月が

淡く、細かい金の煙を微笑むように漂わせている。


ザワザワザワ。

森が揺れる。


赤い石、青い石 …


黒い髪の女は、

天窓の屋根によじ登ると大きく両手を広げ、

ゆっくりと、

踊るように、

空を仰いだ。


それはまるで、

このメゾンを飲み込むように現れた巨大な月を両手で支えているように見えた。

光の矢の中で軽々と月を持ち上げる見知らぬ女の影を、

僕はぼんやりと見つめていた。



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