Chapter 4 - 月のかたち -

- 月のかたち -


女の持ち上げた大きな月をぼんやりと眺めているうちに、

僕はおかしなことに気がつく。

月の右、少し上のところでふと布切れがはためいたように見えたかと思うと

そこに小さな黒点が現れた。


それは紙が燃え広がるようにだんだんと大きくなっていき、

やがてそれを突き破るように小さな黒い塵(ちり)が静かに飛び出した。

塵の粒たちはだんだんと大きくなり、

それはついに人の形となって夜空を駆けてやってくる。


クラウディオ、そっちだ! パス!

アルベルト!


懸命に声をかけあいながらシュートを決めようとするサッカー少年たちの姿だ。


目を凝らすとそれはいずれも子供の頃の級友たちで、

夕焼け色に染まった少年を見て僕は思わず息を飲んだ。


昨年亡くなったダリオの蹴り込んだボールが僕の頭をかすめて飛んでいく。

砂を蹴るたくさんの足音が一斉に僕の耳元を駆け抜けていくのを聴きながら

僕は静かに目を閉じた。


葉ずれの音と一緒に

風が次々と頬を撫でていく。

しばらくして目を開けると、

頭上の空にはこの世の様々な生き物たちが、

魔物に形を変えたように


月の裂け目から石油の川のような、黒い流れを作って漂っていた。



くちばしに花をくわえた美しいオオルリの群れは星の間を縫って飛び交い、

のっそり歩きながら流されていく白くまや、

羽を広げたトビウオたちが黒光りする流れの中で銀色に光って跳ねている。


僕は懐かしさと不思議な気持ちで胸の中心がひどくしびれたようになって、

何度も大きく肺に息を送り込んだ。



The tales of MIYOSHI jewelry

from another world🎃







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