森羅万象を閉じ込めたフィレンツェ彫り


中世時代、イタリアのフィレンツェ発祥の金細工、西洋彫刻フィレンツェ彫り。

600年もの長い歳月を経てもなお現地フィレンツェで受け継がれる普遍的な価値と美しさ。そんな西洋彫刻を彫り続けるうちに脳裏にあるひとつのセオリーが浮かびます。


それは、彫り面いっぱいに、隙間なく構成していく模様に、

様々な波長がパズルのように密集した宇宙空間を連想したこと。

それが頭の中に現れ調和すると、作品は完成となり私の手から離れていきます。


中世イタリアの修道院が発祥とも言われる金細工は、

その後その美しさから貴族たちの宝飾品に取り込まれていったのですが、

当時の職人たちにとっては今日、明日を生き抜くための『仕事』という意識が強かったのを想像します。

それは、光り輝く、美しいなどの価値の、

いわゆる嗜好品(luxury items)として生まれたのではなく、

その当時の生き方や思考、さらには祈りや哲学までも模様の構成に封じ込めたのではないでしょうか。

フィレンツェ彫りは、それらを乗せた『情報』であり、その当時から発せられた思想を身に着けることで感化され、それが守るべきもの、人間の普遍的なものと位置づけられたため、これまで生き残ってきたのではと思うんです。


ジュエリーを身に着けることは『人生の充実』を表すもの。

そしてそのジュエリーに希望や喜びを意識づけることができたら素敵。


森羅万象を閉じ込めた模様をジュエリーに彫り入れる。

それを手に取っていただいた方に喜びが生まれたらいいな(´ω`)。